こんにちは、うま先生です。
健康診断で「便潜血が陽性」と出ると、誰でも不安になりますよね。
「大腸がんなの?」「痔だから大丈夫でしょ?」と考える方も多いですが、放置は危険 です。
この記事では、便潜血検査の仕組みから精密検査の内容、大腸カメラの流れ、よくある誤解まで、医師の視点で分かりやすく解説します。
便潜血検査とは?
便潜血検査は、便の中に混じったごく微量の血液(赤血球のヘモグロビン)を検出する検査です。
方法は簡単で、2日分の便を提出するだけ。痛みもなく、毎年の健康診断で多くの方が受けています。
陽性=大腸がんではない
便潜血が陽性だからといって、すぐに「大腸がん」とは限りません。
実際の統計では👇
- 大腸がんが見つかる確率:約3%
- 大腸ポリープ:約50%
- 異常なし:残り
つまり、大半はがん以外ですが、がんが隠れているケースもあるため、必ず精密検査が必要になります。
精密検査=大腸カメラ
便潜血が陽性だった場合、基本的に 大腸カメラ(大腸内視鏡) を受けます。
検査の流れ
- 前日:消化の良い食事、または病院指定の検査食
- 当日朝:2ℓの下剤を飲んで腸をきれいにする
- 検査:鎮静剤を使えば眠っている間に終了
- 所要時間:10〜30分程度
- 必要に応じてポリープ切除もその場で可能
合併症は非常にまれで、年間数百万件行われている安全な検査です。
大腸CTやカプセル内視鏡は代わりになる?
- 大腸CT:短時間で楽だが、異常が見つかったら結局カメラが必要
- カプセル内視鏡:飲むだけで楽だが、組織採取や治療ができない
👉 補助的な検査にはなりますが、診断と治療が一度にできるのは大腸カメラだけ です。
よくある誤解Q&A
Q1. 1回だけ陽性なら大丈夫?
→ ダメです。1回だけでも大腸がんが見つかることがあります。
Q2. 再検査で陰性だったから安心?
→ 便潜血は再現性が低い検査。1回でも陽性なら大腸カメラが必要です。
Q3. 痔があるから便潜血は仕方ない?
→ 痔と便潜血の関係は薄く、痔があっても陽性は否定できません。むしろ痔のある人は生活習慣的に大腸がんリスクが高い場合もあります。
Q4. 若いから大丈夫?
→ 20代・30代でも炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)が見つかることがあります。年齢に関わらず一度は検討すべきです。
まとめ
- 便潜血陽性=がん確定ではないが、放置は危険
- 精密検査は基本的に大腸カメラ
- 大腸CTやカプセルは補助的で、最終的にはカメラが必要
- 1回だけの陽性や痔がある場合でも安心はできない
👉 健康診断で便潜血が陽性になったら、必ず精密検査を受けてください。
早期発見・早期治療こそが命を守ります。
📝 免責事項
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の診断や治療を目的とするものではありません。体調に不安のある方は、必ず主治医などの医療機関にご相談ください。