こんにちは、うま先生です。
今回は 「パーキンソン病とは何か?」 について、なるべく専門用語を使わず、わかりやすく解説していきます。
パーキンソン病といえば「手が震える病気」というイメージが強いですが、実はそれよりも前に現れる“意外な初期症状”があることをご存知でしょうか?
日常生活の中で見逃してしまいがちなサインも多いので、ぜひ最後まで読んでみてください。
🧠 パーキンソン病とは?
パーキンソン病は、脳の中で運動を調整する神経細胞が徐々に弱っていく病気です。
動きにくさが根本にあるため、【神経の病気=運動の病気】という特徴があります。
人の体の動きは、実は「アクセル」と「ブレーキ」の調整で成り立っています。
そしてパーキンソン病では、この“ブレーキが効きすぎる”状態になってしまうのです。
🏃♂️ 代表的な運動症状
パーキンソン病で見られる主な症状は次のとおりです。
▶︎ ① 安静時振戦(あんせいじしんせん)
- じっとしている時に手が震える
- 特に片側だけ震えることが多い
字を書くときに震えるのとは少し違い、膝に手を置いているだけでも震えたりします。
▶︎ ② 動作が遅くなる(動作緩慢)
- 歩き始めの“一歩目”が出にくい(すくみ足)
- 歩幅が小さくなり、小刻み歩行になる
▶︎ ③ 腕の振りが左右で違う
歩くとき、普通は左右の腕が同じくらい振れますが、パーキンソン病では 片腕だけ振りが弱い ことが多いです。
▶︎ ④ 表情が乏しくなる
顔の筋肉が動きにくくなるため、無表情に見えることがあります。
うつや認知症と間違えられることも。
🚴♀️ 「歩きにくいのに自転車はこげる」現象
患者さんからよく聞くのが、
「歩くのはつらいけど、自転車は普通にこげるんです」
というもの。
これは歩く動作と自転車をこぐ動作では脳の使い方が違うため起きる現象だと考えられています。
“アクセルとブレーキ”のバランスの違いが大きいのかもしれません。
🌱 意外と多い「初期症状」
パーキンソン病では、運動症状の何年も前から出るサインがあります。
🟩 ① 便秘(もっとも多い)
実は 発症の数年以上前から続いていることもあるほど重要なサイン です。
ただし、便秘は非常にありふれた症状なので、
「便秘だからパーキンソン病では?」と不安になる必要はありません。
逆に、
便秘が一切ない人はパーキンソン病である可能性がかなり低くなる
という“安心材料”と考えてください。
🟩 ② 嗅覚低下
- 線香やコーヒーの香りがわかりにくくなる
- 意外に気づきにくいが、重要なサイン
🟩 ③ 睡眠中の異常行動(レム睡眠行動異常症)
- 夢の内容をそのまま体で再現してしまう
- 隣の人を蹴ったり叩いたりしてしまうことも
🟩 ④ 曖昧な幻視
- 「人が通ったような気がする」
- もやっとした影が見える
といった“ハッキリしない幻視”が特徴です。
📉 なりやすい人は?
- 60歳以上の100人に1人
- 男性にやや多い
- 喫煙者は有病率が低いというデータ(※タバコ自体はもちろん推奨しません、他の害が多すぎます)
運動習慣がある人はリスクが下がると言われています。
💊 治療について
現時点では、神経を根本的に回復させる治療はありません。
治療の中心は
「ドーパミンを補って、体を動かしやすくする」対症療法
です。
治療を続けると、数年後から薬の効き方に波が出てくることがありますが、
リハビリや調整である程度コントロールできます。
👣 進行と生活の目標
診断後15年の生存率は一般の人と大きく変わらないとされます。
ただしその後は、誤嚥性肺炎・転倒・感染症などが増えてくるため注意が必要です。
私の臨床では、
まず10年間、自分の足で歩けることを目標にしましょう
とお話しすることが多いです。
🔚 まとめ
- パーキンソン病は「ブレーキが効きすぎる病気」と考えると理解しやすい
- 運動症状だけでなく、便秘や嗅覚低下など“初期サイン”が重要
- 長く付き合う病気なので、早期の気づきと継続した治療が大切
日常で気になる症状がある場合は、遠慮なく神経内科を受診してください。
