🩺胸の音って何を聞いてるの?医師が本音で解説します医師が“胸の音”を聞く理由【聴診で何がわかる?】



「胸の音を聞かせてください」
診察でそう言われた経験、誰にでもありますよね。

でも実際のところ――
医者は聴診器で何を聞いているのか?
「それで何がわかるの?」と思ったこと、ありませんか?

今日はその疑問に、医者として本音でお答えします。


聴診で聞こえる2つの音とは?

胸の音から聞こえるのは、大きく分けて 心臓の音肺の音(呼吸音) です。

心臓では「ドクン、ドクン」という鼓動音を、
肺では「スーッ、ゴロゴロ」といった呼吸の音を聞いています。

定期診察のときにも聴診することがありますが、
「症状がないのに毎回聞く意味があるの?」と思う人も多いかもしれません。


症状がなくても聴診する理由

実は、症状がなくても聴診で見つかる病気 がいくつかあります。
代表的なのは次の2つです。

  1. 大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう)
     心臓の弁が狭くなり、血流の音が「ブー」という雑音になります。
     比較的高齢者に多い病気で、音が大きいので聴診で気づきやすいです。
  2. 喘息や肺気腫(COPD)
     息を吐くときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音がします。
     特に高齢の男性では、症状を自覚していないケースもあります。

この2つは、聴診だけで異常に気づける数少ない病気です。


聴診で“わからない”ことも多い

一方で、聴診でわからないこともたくさんあります。

例えば、

  • 心不全(心臓が弱っているかどうか)
  • 心筋梗塞
  • 心臓の動きの強さ

こういったものは、音だけでは診断できません
実際には 心エコー検査心電図 が必要です。

聴診器で「心臓の音が正常ですね」と言われても、
「心臓が元気!」とは限らないのが実際のところです。


聴診の本当の役割

では、なぜ今でも聴診を行うのか?

それは、

  1. 大動脈弁狭窄症や喘息などの早期発見
  2. “診てもらった”という安心感

この2つが大きいと思います。

実際に、聴診をしてもらうと患者さんの満足度が上がる、
という研究結果もあります。

つまり、医療の原点である「手当て」 の一つなんです。


医師の本音:どのくらいの頻度で聴診する?

私自身は、
初診のときや、60歳以上・高血圧などリスクのある方には定期的に聴診します。

ただし、毎回必ずというわけではありません。
症状の有無やリスクに応じて、年に1回〜半年に1回くらいの頻度で十分だと考えています。

診察時間の中では、
「食事・運動・薬の管理」などの話の方が重要なことも多いです。
だからこそ、聴診と会話のバランス が大事なんですね。


まとめ:胸の音からわかること・わからないこと

項目聴診でわかる聴診ではわからない
大動脈弁狭窄症✅ 音で発見できることがある
喘息・肺気腫✅ 「ヒューヒュー」でわかる
心不全・心筋梗塞❌ 心電図・エコーが必要
心臓の動きの強さ❌ 個人差が大きく判断困難

結論

胸の音からわかることは限られています。
それでも聴診には、

  • 病気を早期に見つけるチャンス
  • 診察を受けた安心感
    という、大切な役割があります。

そして何より――
「あなたの体を丁寧に診ようとしている」その姿勢 が、聴診の本当の意味なのかもしれません。

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