【登録販売者試験 令和6年 関東(東京)問21 消化管の生理学を解説】

今回は、登録販売者試験 令和6年 関東ブロック(東京)問21「消化管」に関する問題について解説します。

■ 問題概要

問21では、以下4つの記述の正誤を問う問題が出題されました。

  1. 食道は、喉元から上腹部のみぞおち近くまで続く、直径1~2cmの管状の器官で、消化液の分泌腺がある。
  2. ペプシノーゲンは、胃酸によって主に炭水化物を消化する酵素であるペプシンとなり、胃酸とともに胃液として働く。
  3. 胃粘液に含まれる成分は、小腸におけるビタミンB12の吸収に重要な役割を果たしている。
  4. 小腸は、全長6~7mの管状の臓器で、十二指腸、空腸、盲腸の3部分に分かれる。

■ 解説と正誤

①【誤り】 → 食道には消化腺がありません。消化管は単なる通り道であり、食道や大腸には消化液を分泌する腺は存在しません

<補足>

・消化管は一本の管状の器官で、口腔、咽頭、食道、胃、小腸、大腸、肛門へとつながっています。 ・食道は喉元からみぞおち付近まで続く器官で、食べ物を運ぶ役割があります。

・逆流性食道炎では、胃酸が逆流して食道にダメージを与え、みぞおち付近に痛みを感じることがあります。

・食道は、ただ食べ物を通すだけで、消化液を分泌する腺はありません

・大腸も水分や電解質を吸収しますが、消化液を分泌する役割はありません

②【誤り】 → ペプシノーゲンは胃酸で活性化され、ペプシンになります。ペプシンは「タンパク質」を消化する酵素であり、炭水化物ではありません

<補足>

・ペプシノーゲンやトリプシノーゲンは前駆体で、活性化されることで酵素になります

・ペプシノーゲンは胃酸によりペプシンになり、タンパク質を消化します。

・トリプシノーゲンは膵臓から分泌され、小腸でエンテロキナーゼによりトリプシンに変わり、タンパク質を消化します。

・〇〇ゲンは前駆体を意味し、活性化前の状態で分泌されることで、細胞自身が分解されるのを防いでいます

・急性膵炎はタンパク質分解酵素の恐ろしさがよくわかる病気です。消化管内ではなく膵臓で消化酵素が活性化してしまい、自らの組織(タンパク質)を消化してしまいます。お腹の中で強い炎症が起こり、重症化すると集中治療が必要になることもあります。

③【正しい】 → 胃で分泌される「内因子」がビタミンB12と結合し、小腸(回腸)で吸収される仕組みです。

<補足>

・胃からは胃酸、ペプシノーゲン、粘液、内因子などが分泌されます。

内因子はビタミンB12と結合し、回腸で吸収されます。

・ビタミンB12は赤血球生成、神経機能維持、細胞分裂に重要で、不足すると貧血や認知症様症状が出ます。

・ビタミンB12は水溶性ビタミンで、体内に貯蔵されるため不足症状が出るまでに数年~10年以上かかることもあります

④【誤り】 → 小腸は「十二指腸、空腸、回腸」の3つに分かれます。「盲腸」は小腸ではなく、大腸の一部です。

<補足>

・小腸は約6~7mあり、十二指腸、空腸、回腸に分かれます。

・十二指腸は消化がメインで、胆汁や膵液など消化液が集まります。

・空腸では糖質、脂質、アミノ酸、ビタミンなどを吸収します。

・回腸ではビタミンB12や胆汁酸を吸収します。

・盲腸は大腸の一部で、小腸の終わり(回腸)から大腸(上行結腸)につながる部分にあります。

■ まとめ

正解:3(誤りは1, 2, 4)

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