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風邪をひいたとき、すぐに西洋薬を飲むのも良いですが、漢方薬を活用するのも一つの選択肢です。市販の漢方薬でも風邪の症状を和らげるものがあり、自分の体質に合ったものを選ぶことで、より効果的に活用できます。
本記事では、風邪のタイプや体力に応じた漢方薬の選び方や、市販薬と病院処方薬の違い、効果的な飲み方について解説します。
漢方薬が風邪に有効な理由
漢方医学では、風邪の症状に応じたアプローチを取ります。例えば、西洋医学では風邪による発熱に解熱剤を使うことが一般的ですが、漢方では発熱も体の免疫反応の一部と考え、適切に調整しながら治療を行います。
また、漢方では「風邪のステージ」を6つに分け、それぞれの段階に適した処方を行うことで、効果的に症状を抑えることができます。
風邪の初期におすすめの漢方薬
風邪のひき始めに使用される代表的な漢方薬には以下の3つがあります。
1. 葛根湯(かっこんとう)
- 適応: 体力が中等度以上で、寒気や筋肉痛がある場合
- 特徴: 首や肩周りの筋肉痛を和らげ、体を温めて発汗を促す
- 注意点: 発汗を促すため、水分補給をしっかり行う
2. 麻黄湯(まおうとう)
- 適応: 体力が充実しており、高熱や寒気がある場合
- 特徴: 強力な発汗作用があり、体温を調整しながら風邪を治す
- 注意点: 「エフェドリン作用」により、動悸や血圧上昇のリスクがあるため、心疾患のある方は注意
3. 桂枝湯(けいしとう)
- 適応: 体力が弱く、汗をかきやすい人に適している
- 特徴: 体を温めながら症状を緩和し、自然治癒力を高める
- 注意点: 体力のある人には効果が薄いため、体質を見極めることが重要
漢方薬の効果的な飲み方
漢方薬は飲み方によって効果が大きく変わります。以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
1. 熱湯に溶いて飲む
漢方薬は基本的に体を温める作用があるため、冷水よりも熱湯で溶いて飲むのが効果的です。
2. 解熱剤をなるべく使わない
漢方薬は発汗を促して自然に解熱する仕組みです。そのため、解熱剤(特にアセトアミノフェンなど)を併用すると効果が十分に発揮されない可能性があります。ただし、寝る前などに一時的に使用するのは問題ありません。
3. 短期間にしっかり飲む
漢方薬は長期間飲むよりも、風邪の初期に集中的に飲むことが大切です。例えば、病院処方の葛根湯では、1回1包を2〜3時間おきに6回程度飲むこともあります。
市販薬と病院処方薬の違い
市販の漢方薬と病院で処方される漢方薬の違いは主に以下の2点です。
- 有効成分は基本的に同じ
- 市販薬も病院処方薬も、含まれる成分自体に大きな違いはありません。
- 用法・用量の違い
- 病院処方の方が用量を増やせる場合がある(例: 市販の葛根湯は1日2回まで、病院処方では1日6回まで)
まとめ
風邪の初期には、自分の体力や症状に合わせて以下の漢方薬を選びましょう。
✅ 葛根湯(筋肉痛や寒気があるとき)
✅ 麻黄湯(高熱があり、寒気が強いとき)
✅ 桂枝湯(体力が弱く、汗をかきやすいとき)
また、漢方薬は 熱湯で飲む、解熱剤は極力使わない、短期間でしっかり飲む ことで最大限の効果を発揮します。
漢方を上手に活用して、風邪の早期回復を目指しましょう!